2009年7月アーカイブ

デンマークからの見学者

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7月14日にデンマークの精神障害者協会理事のインゲさんとオーデンセ薬物中毒センターのハッセさんが来院されました。

春日市で午後から開かれたデンマークの精神障害者福祉についての講演の前に牧病院の社会復帰施設であるピアッツァ桜台を見学に見えたのです。

されに先立って、主催者側から打診があったときに、私自身もデンマークの高齢者福祉の状況を見学に行ったときに施設内で精神障害者も一緒に暮らしていたのを見ていたので、教えられるところがあるかもしれないと思い引き受けました。

前に行ったときに施設の利用者は日本で見る利用者と大差ないと感じましたが、社会制度や風土の違いを痛感しました。デンマークには自立支援法のような障害者のための法律はなく、乳幼児から障害者、高齢者まで一本の法律で運営されていることも理にかなっており感心した覚えがあります。

話をしてみて一番驚いたのは入所施設の人員配置が利用者1人につき1.3人であることと、デンマークの新しい基準では一人当たり2部屋シャワートイレつきで50?の部屋を求められているでした。

思わず、「それだけの人数があれば、かなり重い人でも施設に出せますね」といってしまいました。

印象的だった質問は「施設の入居者に避妊はおしえているか」「利用者は何を喜んでいるか」「スタッフがここで働いていてうれしいことは何か」などでした。1番目は私も知らなかったのですが、スタッフははにかみながらYESと答えていました。2番目は「自由」、3番目は「利用者が少しでも物事ができるようになったときにやりがいを感じる」と答えていました。

また、うれしかったのは「入院中から社会に出ることを想定したかかわりと、本人の希望と意欲を一番大事に考えて施設の職員がうごいている。」「3年間かかっても施設に退院した症例などすばらしい」「施設で行われていることも自分たちからみてかわらないし、違和感はない」といわれたことでした。

退院して1人で社会生活をすることはなかなか大変なことで特に中長期の利用者にとっては狭き門です。この事実は自分は、まだうまくやれていない、もっとうまいやり方があるのではないだろうかと自問自答を繰り返していましたが、今回、これは社会保障制度上の問題が大きいのかもしれないと思いました。広い住居で、たくさんのスタッフがあれば、院外で暮らせるのではないかと思いました。

また、年金ですが、規定よりも早くもらうことができて30万、税金や施設費などを除いて5万ぐらいが小遣いになるそうです。ちなみにデンマークの人は必要がないので貯金はしないそうです。

うむー・・これならいけるよなぁ・・・・

しかし、いかんせん、ここは日本なのです。

歴史も地理も風土もそして社旗制度もデンマークとは違います。

今ここにある問題はここで解決していくしかありません。内心忸怩たる思いもありますが、「1人、ひとり、そしてまたひとり」の精神で地道に行こうと思います。

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ちなみにピアッツァではたまたま居合わせた利用者からお茶を振舞ってくれました。私たちがあまりに話に夢中だったので、助けていただいて楽しいハプニングもあり、お互いのお土産の交換で山笠の手ぬぐいとアンデルセンの切り絵をプレゼントしお互い精神障害者に関わるもの同士友好を感じました。この切り絵はピアッツァに飾ろうと思っています。

この訪問は時間も長かったですが、いろいろと勉強になりよかったです。